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有機反応化学研究室(内田研)
Synthetic Organic Chemistry (Uchida Group)
研究内容
空気中の酸素や過酸化水素など、原子効率が高く環境調和性に優れた酸化剤を用い「ごみ」を副生しないあるいは、水などの再生可能資源、「望みの官能基」を「望みの位置」に「望みの立体化学」で導入できる実用性に優れた触媒的酸化反応の開発を進めている。
・カルボン酸協働作用を用いた触媒的高位置選択的C–H酸化
分子内でカルボン酸によるオキソ種の活性化を起こすようにジカルボン酸を配位子に導入した、新規Ru(bpga)(H-dicaroboxylate)2は、環境適応性に優れた過酸化水素(H2O2)を酸化剤に利用し、僅か0.1 ~0.5 mol%の触媒添加量でも、複雑で多官能基化された天然物を含む広範囲の基質で高位置選択的なC–H酸化を優れた反応速度(TOF = up to 760 /h)で酸化する実用的な酸化触媒として機能することを明らかとした。
・触媒的酸素同位体標識化法:水を酸素源とするC–H酸化
安定酸素同位体標識化合物は、2次イオン質量分析法(SIMS)や17-O MRIなどの新たなバイオイメージング法のプローブとして期待されているが、その合成過程で希少で高価な標識水を500当量以上必要としていることが課題となっている。
そこで、私たちは、水の酸素原子をRu(bpga)Cl2が触媒するC–H酸素官能基化の酸素源とする新たな手法の開発に着手し、1.0~5.0程度の標識水で十分にその標識率をほとんど下げることなく、酸素同位体標識化合物を合成することに成功した。同手法用いることでグラムスケールでの標識糖の合成を達成している。
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